TAKAMIYA GROUP

橋梁の施工検討のために、架線・軌道・橋梁の位置関係を把握したい

2022.02.24

橋梁の施工検討のために、架線・軌道・橋梁の位置関係を把握したい

Technicalnote 技術情報

「橋梁の施工検討のために、架線・軌道・橋梁の位置関係を把握したい」

こんにちは、キャディアン空間計測グループです。
今回は、3次元データの活用方法をご紹介します。

そんなお悩みがある方には、3Dレーザースキャナーにより取得できる点群データと、施工予定の橋梁の設計図面から作成するモデルデータを組み合わせる弊社の技術がおススメです。

その理由は、点群データとモデルデータ、それぞれのデータが持つ特徴にあります。

点群データは、3Dレーザースキャナーで計測した時点での橋脚・架線・軌道・地盤などの位置関係を現況通りに再現できます。一方で、施工予定の橋梁の設計図から作成されるモデルデータは、橋脚や橋桁・床板などの将来の情報を表現することができます。

 つまり、「現況を取得できる点群データ」と「将来の形状を表現できるモデルデータ」を組み合わせることで、現存する架線や軌道と、将来施工される橋梁の位置関係を把握することができるのです。その結果、将来建設される橋梁が、現存する建築物や小物体に干渉しないかといった確認や、建設されたあとの景観の確認をすることができます。従来では2次元の平面図や断面図で確認していた位置関係も3次元化することで視覚的に見えやすくなり、図面確認の習熟度に関係なく多くの人で意識を共有できるようになるのが点群データと設計図から作成したモデルデータを組み合わせたときの利点になります。

ただし、1つだけ注意しなければならないのは、点群データとモデルデータで共通する座標が必要であるということ。既存の基準点座標や、共通する任意の点を作成するなどして、2つのデータの位置をキレイに合わせることが重要になります。逆に言えば、共通の座標なしに、点群データとモデルデータの2つを組み合わせることはできません。

 また、軌道と橋脚の位置関係という観点で見てみると、鉄道の建築限界についても検討することができます。鉄道の建築限界とは、線路に近接する建物や信号機、仮設物、トンネル、樹木などを線路付近に近接させてはならないという制限範囲のことで、「建築限界内には、建物その他の建造物等を設けてはならない」と規定されています。この鉄道限界の制限範囲のモデルを軌道上に作成することで、新しく建設する橋梁が鉄道限界範囲内に抵触していないかといった確認や、工事の際にどのように機材を使用したら良いか、搬入や設置のシミュレーションを行うことができます。

本記事では軌道の建築限界を例に出していますが、こういった干渉のチェックは、様々なパターンで行うことができます。現況の把握ができる3Dレーザースキャナで取得した点群データでは、新設や解体などの工事現場でモデルデータと組み合わせることにより、有用性の高いデータとなる可能性を秘めているのです。本記事を読んで興味がわいた方は、ぜひお問合せください。

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