TAKAMIYA GROUP

BIMの建築フローにおいて、調査はどのように行うのか?

2022.12.07

BIMの建築フローにおいて、調査はどのように行うのか?

Technicalnote 技術情報

こんにちは、キャディアンBIM/CIMチームです。
2025年に大阪で2回目の万博開催を控えて、うめきた2期地区開発プロジェクトなど、各地で再開発が進んでいます。
新たに建物を作る場合は、まず土地や建物の調査を行います。
今回はそんな調査について、BIMの建築フローにおいては、どのような手法があるのか解説します。

フローの比較

まずは、これまでの建築フローとBIMの建築フローの違いを下記の表で説明します。

段階 現状の建築フロー BIMの建築フロー BIMになってどうなるのか?
測量 測量機器の設置して一点ずつ測定 三次元的に効率よく空間情報を取得 作業時間の短縮や得られるデータ量の増加
地質調査 適切な地点を選定して断面図作成 地盤形状を3Dで再現。3Dモデルから断面図も作成可能。 地盤形状の可視化でより適切な建設場所を検討できる
計画 地質調査で得た断面図などをもとに建築物の構造を検討 可視化による干渉チェックや施工ステップで建築物の構造を検討 手戻り防止など効率の良い施工計画の立案
施工 工事を実施 ICT重機などデジタルを駆使した施工 工事の安全性や効率化を実現
維持管理 建築物が正しく機能するように点検や補修を行う 耐用年数や三次元測量による現況把握で管理 修繕予測や情報の一元化が可能

このように様々な違いがありますが、調査の部分について掘り下げていきます。

調査方法について

BIMの建築フローの調査では三次元測量が重視されています。
三次元測量には主に以下の手法があります。

・空中写真測量
測量を目的として、航空機などから地表を写真撮影をします。
撮影された写真からは、土地の形状や建築物の位置などを正確に割り出せます。
航空機のカメラで撮影された写真は、実はカメラレンズの仕組み上、写真と現物を比べた際に位置がずれています。
その位置のずれをなくし、正しい大きさと位置に表示される加工をしたものがオルソ画像と言います。
オルソ画像は、地図と現況の位置関係の比較し、地形の変化などを正確にとらえることができます。


・車載写真レーザー測量
車に3Dレーザースキャナーなどの計測機器を搭載し、走行しながら三次元計測を行います。
レーザーが届く範囲のデータを一瞬で取得でき、車で移動しながらなので広範囲を計測できます。
車で移動できる場所でしか使えませんが、空中写真では撮影できないトンネルの中や樹木にさえぎられた部分などのデータが取得できます。


・UAV測量
「Unmanned aerial vehicle」の頭文字をとってUAVと言われており、ドローンとも呼ばれています。
有人の航空機を用いた写真測量との違いは、費用と手軽さと測量方法です。
UAVを飛ばす際にも様々な規則がありますが、航空機と比べて手間がかからず飛行することが可能です。
その手軽さから費用も安く済みます。
有人の航空機と同じように写真撮影も可能ですが、3Dレーザースキャナーを搭載することもできます。
3Dレーザースキャナーの優れている点は、写真と比べて精度の良いデータが取得できる点です。


・地上レーザー測量
三脚付きの3Dレーザースキャナーを地面や床に据え付けて三次元計測を行います。
広範囲の計測が苦手だったり、上空からの計測が出来ませんが、非常に高精度の測量が可能です。

キャディアンで出来る事

三次元測量で取得した点群データの処理はもちろん、点群データのBIMモデル化も承っております。
キャディアンでは、国交省のBIM/CIM活用ガイドラインで定義された要件に沿って、BIMモデル化を行います。
BIM/CIM対応を専門としているサポートチームがあり、「BIMに取り組みたいが社内にノウハウがない」「海外アウトソーシングを活用したい」「クライアントや社内への情報共有をもっとスムーズにしたい」などBIMにおけるさまざまなお悩みをサポート可能です。
点群データからモデル作図、設計から施工図作成・建物維持管理まで、お応えできる方法をご提案いたします。

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お困りごとがありましたら、お気軽にご連絡下さい。

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